2023年5月6日の土曜日、イギリス・ロンドンのウェストミンスター寺院で、新国王チャールズ3世の戴冠式がおこなわれました。
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世界の裏側で起こっていることに、リアルタイムで、スマホ一つで没入できる、すごい時代になりました。戴冠式がおこなわれたウェストミンスター寺院の映像、荘厳でうっとりしました。
14世紀末〜15世紀初頭にかけて、フランス王国でイザボーと夫シャルル6世が在位していた間、イングランドでは数人の王様が入れ替わりました。その最初の人が、リチャード2世。
冠をいただき、杖と宝珠をもつチャールズ3世。
配信の解説を見ていると、作られた時代が中世(14世紀以前)にまで遡れる装具は、さすがに少ないようでした。
従って、すべてが中世そのままというわけではありませんが、管理人はこの方リチャード2世の装備を思い出し…
ウェストミンスター寺院にあるリチャード2世の肖像画。おそらく生前に描かれた。 Portrait Richard II of England 1390年代半ば頃 ウェストミンスター寺院 所蔵 出典:ウィキメディア・コモンズ |
イザボー夫妻にとっては、英仏百年戦争の和平のために娘を嫁がせた、年上の娘婿であり、
しかしながら廃位されて、戦争が再燃するというカオスですが…。
この絵を思い出し、改めて、今回の新国王チャールズ3世の戴冠式が、中世以来の伝統に則ったものだと思いました。
そして、戴冠式が終わったあとは、拍手を送りたい気持ちになっていました。
人種の構成も、信仰の形も、性別による壁も、急速に変わりつつあるといわれる今のイギリス。
今回の戴冠式では、その点での柔軟性と多様性が感じられる場面が、いくつもありました。
ノルマン・コンクエストに百年戦争、薔薇戦争、新教と旧教の対立、ピューリタン革命、大英帝国、世界大戦…
たくさんの栄光とピンチをくぐり抜け、1000年近く歩んできた英国と王室が、これからも新しい歴史を見せてくれますように。
最後になりましたが、先ほど書いたように、イザボーとの関わりで言うと、娘たちのうち2人―イザベルとカトリーヌがイングランド王妃になっていて、彼女たちも、ここウェストミンスター寺院で戴冠式をしています。
イザベルは、今回の戴冠式にも姿を見せていたシャーロット王女くらいの年頃の、小さな王妃でした。
カトリーヌは、埋葬されている場所もここでしたね。
そしてまた、もしフランスに王室が残っていたらどんなふうになっていただろうとも、ちょっぴり思ったのでした。