ごあいさつ
イザボーの生涯
関連人物の図
おしゃれセレクション

バイエルン名物「ヴァイスヴルスト」を食べる

2023/01/04

楽しむ

t f B! P L

ドイツ南東部・バイエルン州。バイエルンの州旗は、白と明るいブルーのダイヤ柄です。
このダイヤ柄は、10世紀~20世紀までおよそ1000年もの間この地を治めた、ヴィッテルスバッハ家の紋章に由来するものです。ヴィッテルスバッハ家は、イザボーの生家でもありました。

先日、輸入食品店カルディでのこと。このダイヤ柄の可愛いパッケージに包まれて、バイエルン名物ソーセージ「ヴァイスヴルスト」(Weisswurst)が売っていたので、買ってみました。

バイエルン名物「ヴァイスヴルスト」を食べる

Wikipedia情報によると、この真っ白なソーセージ「ヴァイスヴルスト」は、よく挽いた仔牛肉と新鮮な豚肉のベーコンから作るとのこと。本来傷みやすい食品のため、現地では早朝に作られ午前中に食べてしまうものだとか。
外皮はしっかりしていて、本来は食べないものらしいけれど、管理人は皮ごと全部食べてしまいました。
しっかりした外皮とは対照的に、中身はふわふわした軽い食感。脂っこさはあまり感じられず、淡白なパテを食べているよう。お肉とハーブ、味付けの塩・砂糖と最低限の保存料しか使っていないようで、素朴な味わいでした。

製造元の「GREISINGER(グライシンガー)社」は、オーストリアの会社ではあるようですが、目を惹くのはそのパッケージ。バイエルンの州都ミュンヘンのランドマークである聖母教会の写真が正面に。そして、全面にバイエルンのダイヤ柄が使われています。白と明るいブルーのコントラストがかわいい!

このダイヤ柄は、イザボーも一生使っていたもの。

イザボーのお部屋。壁掛けや枕もとに、ヴィッテルスバッハ家の紋章であるダイヤ柄が見える。
『クリスティーヌ・ド・ピザンの作品』
1413年頃、パリ
大英図書館 所蔵
MS Harley 4331, fol.3

出典:ウィキメディアコモンズ

ひざまづいて手を合わせるシャルル6世とイザボー夫妻。イザボーはダイヤ柄のスカートを身につけている。この絵画は、シャルル6世時代の宝飾品を400年後(18世紀)の人がデッサンしたもの。モデルになった宝飾品は後に失われ、この絵画だけが残った。
『エナメル加工された金の宝飾品(Die Gnadと呼ばれる)を表した絵画』
18世紀(モデルの宝飾品は1400年頃)
バイエルン国立博物館 所蔵(Inv. No. MA 2607)
出典:Paris・1400

フランス・ヴァロワ王家の「フルール・ド・リス」とヴィッテルスバッハ家の「ダイヤ柄」を半分づつ組み合わせたものが、お部屋の内装、調度品、ドレス、食器類、美術作品から、赤ちゃんのゆりかごまで飾っていました。

ただ、当時の絵などを見ると、現在のバイエルン州の“白と明るいブルー”ではなく、“金と紺色”で表されていたようです。これは時代によるものか、ヴァロワ家のフルール・ド・リスに合わせた色味なのか、あるいは絵の上でだけそうなっていたのかは、分かりませんでしたが。

イザボー自身がヴァイスヴルストを食べたかは分かりませんが、バイエルン伝統のソーセージはとても美味しかったです。
そしてまた、600年前に彼女が生家を表すものとして誇らしげに使っていた図柄が、今でもバイエルンを表すものとして使われ続けていることを、嬉しく思います。

自己紹介

自分の写真
中世末期の西ヨーロッパ史、特に王家の人々に関心があります。このブログでは、昔から興味のあったフランス王妃イザボー・ド・バヴィエールについてを中心に発信します。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

ラベル

QooQ